社長ブログ

防水保護層の滞留水とコンクリート躯体の含水率。

2016.6.13

平成28年6月13日(月曜日)

<写真1>は雨漏りハンターの一番弟子∪君が高性能水分計でコンクリート躯体を調査してるところです。

一番弟子指導中
<写真1>

結露とそれが原因と思われるカビの発生が尋常じゃない状態です。
構造的に結露しやすい建物ではあるんですが、だとしてもあまりにもひどい状況なので、何かしら根本的な問題があるのかもしれないと考えて、深掘り調査しているワケです。

赤外線カメラで撮影した下の<写真2>では何の有意差も発見できませんでした。

サーモ写真
<写真2>
ところが水分計で測ったコンクリート躯体の含水率で有意差を確認できました。
次の<写真3>の数値が19.5、その下の<写真4>は7.9となっています。

水分計上
<写真3>

水分計下
<写真4>

つまり、コンクリート壁の下のほうより上のほうが含水率が高いということです。
何らかの原因で上階から水分が降りてきている可能性があります。

この部屋は最上階ですので屋上からの雨漏り(浸水)を疑うことになります。
屋上は10年ほど前にウレタン密着工法で防水してありますが、既に防水としての機能は失っています。
ウレタン塗膜の下のコンクリート保護層には相当な量の滞留水があると考えられます。
この滞留水を素因とする水分や湿気が、笠木(同じようにウレタン塗膜を巻いてある)から裏(躯体側)にまわりこみ、壁伝いに浸水している仮説が成立します。

解決策として、屋上防水を更新すると共に、保護コンクリートの滞留水を除去する必要があります。
オーソドックスですが通気緩衝工法にして脱気筒を多めに設置する方向で考えます。
通気緩衝シートを敷く前にバキュームで滞留水を吸い上げたほうが良いかもしれません。
いずれにしても、まずは屋上の改修からですね。

結露と雨漏りの境界線にあるような事例でしたが、高性能水分計のおかげで解決の糸口が見つかりました。
プロとしての長年の経験や勘だけではなく、このような最新鋭の機器も有効に活用することが大切ですね。
いろんな意味でよい勉強になりました。

ではでは。

僕の著書です→『自分を磨く「嫌われ仕事」の法則/経済界

音声でもお聴きいただけます。→オーディオブック版はコチラ

興味がある方は是非読んで(聴いて)みてください。

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