日本外装の現場レポート

笠木ブリッジ工法と目地設計

施工箇所の確認

これは建物屋上の笠木ジョイント部の写真です。シーリング材が大きく破断してしまっているのが分かります。

破断した目地のシーリング材打ち替え工法は大きく分け3種あり、最も基本的な既存シーリング材を撤去して打ち替える再充填工法、目地幅等が足りない時に周囲を切って拡張した後再充填を行う目地拡張工法、意匠性に欠けるが拡張工法より工期・コストの掛からないブリッジ工法があります。

今回のケースは部材の長さに対しての目地幅・深さに不安があり再充填しても再発する可能性や拡張しても深さが確保できなかったのでブリッジ工法を選択しました。

ただブリッジは目地幅・深さが確保できない時の最終手段と言ってもいいほど意匠性が悪く、さらに使い方を間違えばシールの厚み分無駄な応力が掛かる等で部材に悪影響を与える事も考えられます。逆を返せば既存の目地幅・深さが正しく、破断していても原因が劣化によるものであれば再充填が適切であると思います。

それでも破断してしまう場合やシーリング材の接着面積を確保できない場合はブリッジ工法ですが、ほとんどの場合シール自体が破断する凝集破壊では無く、プライマー塗布前の部材処理の甘さから起こる界面破壊(接着不良)の方が多いように思います。だとすれば被着体の処理を適切に行えば意匠性を傷つける事無く再充填工法で十分な可能性が高いです。

目地幅の算出

あまり知られていないのか目地幅と深さは職人が感覚で決めているわけではありません。目地設計のできる人が過去の実験やデータ等の数値を参考に算出していて、通常は設計・新築施工時等に目地設計できる人が立会い決めています。

しかし管理側の無知等で正しい目地幅になっていない建物があるのも事実です。実際数㎜の違いで全てに不具合が起きる訳ではありませんが、目地の位置・幅・深さ・方角・部材の種類によっては重要になってきます。目地幅の算出は、部材の材質・色調や線膨張係数等のデータで算出します。因みにこの目地は幅23㎜、深さ11~16㎜程度が理想です。実際は幅19㎜、深さ7㎜程度でした。

式を書くとムーブメントが

δt=α・ℓ・⊿T(1-Kt)

目地幅が

W≧δ/ε×100+|We|ですが式は覚えられても細かく分かれた数値まで覚えられないので結局ハンドブック持ち歩いてます・・・。

今回はブリッジ工法なので目地幅の算出が終了した後、目地幅の数値からボンドブレーカーの幅を算出し、目地より9㎜間隔をあけた位置にマスキングテープで養生をします。通常ブリッジ工法では接着幅及び厚さが9㎜以上とされています。

プライマーの塗布

ブリッジ工法の接着幅となる部分にプライマーを塗布していきます。今回は2成分形の変成シリコーン系を使用するので2成分形の変成シリコーン系専用のプライマーを塗布します。

プライマーはシーリング材の種類ごとに存在し、中には部材の種類で分かれいる物もあるので適切なプライマーを使用することが重要です。

ボンドブレーカーの張り付け

既存シーリング材の上にボンドブレーカーを張り付けます。

ジョイントにはワーキングジョイント(動きのあるジョイント)とノンワーキングジョイント(動きが無いか極めて少ないジョイント)があり笠木のように熱伸縮の大きい部材はワーキングジョイントに分類され、ワーキングジョイントには目地の伸縮に自由に追従できるよう部材と部材以外には接着させない2面接着工法が絶対不可欠になります。

通常目地内にバックアップ材というシーリング材が接着しない材料を装填し、バックアップ材の厚みで目地深さ(シーリング厚)を調整しますが、写真のようにバックアップ材を装填するとシール厚がとれない場合にボンドブレーカーというテープ状の材料を使用します。

ボンドブレーカーにも種類があり適切な組み合わせでないと接着してしまうので注意が必要です。個人的お勧めは各シーリング材が接着しないテフロンテープです。

シーリング材の充填・加圧ヘラ押さえ

プライマーのオープンタイム内にシーリング材を充填し、金ベラ等で加圧しながら平滑に仕上げていきます。

仕上りの確認

シーリング材が完全に硬化するまで放置し、硬化後養生等を撤去し必要に応じて端部のシーリング処理をして問題が無ければ終了です。

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